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2008/05/29 (Thu) 21:00
映画レビュー 「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」 ~大ブレーキの雪姫~

東宝公楽にて、映画「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」を観て来ました。

ここの劇場は、京都でも珍しくなった全席自由席なので、両隣に見知らぬ人が座って来る事もありません。
ゆったりして観られるのが最大の利点です(^ー^)
ただ、施設自体が古いせいか、座席が狭くて硬いのが難点・・・。足を伸ばしたくても、伸ばせません。足を組むのがやっとです。

毎回気になるのは、座席数が509もある大劇場なのに、大抵の場合、下半分が見事にガラ空きな事です。スクリーンがデカくて高い位置にあるからですかね?
でも、中央辺りのど真ん中に座ると、ちょうど目線の高さですし、スクリーンが左右から迫ってくる感じがして、臨場感が楽しめます。

シネコン全盛のご時勢ですが、たまには、こういった昔ながらの映画館で観るのも良いものです。
とか言いつつ、最初は、最新の施設を誇る「TOHOシネマズ二条」で観ようかどうか、結構迷いました。まあ、結果としては、近場の東宝公楽にしておいて正解といった作品内容でした。二条に行っても、買い物に不便しますからね(^^;

では、以下、例のごとく、ネタバレありです。
映画「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」

監督・脚本:樋口真嗣
主演:松本潤
共演:長澤まさみ・阿部寛・椎名桔平

評価:50点 (可もなく、不可もなく。と言いたい所だが、雪姫の心情描写がダメ。)

黒澤明監督の時代劇をリメイクという事であったが、今回は長澤まさみを目当てに観に行った。
実を言うと、そのオリジナルの方の映画は観ていないので、ここではオリジナルとの比較はせず、あくまで作品自体の評価となります。

(あらすじ)
秋月家は、経済的に成功して繁栄し、富を築いた。しかし、その富を奪おうとする隣国の貧しい山名家に攻められ、秋月城が陥落。このままでは、秋月家は滅んでしまう。
秋月家を再興する為には、友好国の早川領へと、軍資金の金塊と秋月のシンボルである雪姫を送り届けなければならない。
無事に金塊と雪姫を送り届ける為に、ある秘策が実行されようとしていた。

そんな折、山の民である武蔵(松本潤)と木こりの新八が、秋月復興の軍資金である紋章入りの金塊を発見する。二人は、秋月の侍大将真壁(阿部寛)に捕らわれるが、事の成り行きで、金塊と雪姫を早川領へと送り届けるのを手伝うハメになる。

【ご乱心の雪姫】
時は戦国時代。
裏切り・謀反が日常茶飯事の乱世である。
そんな時代に姫として生まれたからには、相当な覚悟と気概が求められる。

実際、雪姫は男勝りの激しい気性の持ち主で、男のような格好をしていた。また、金塊を送る手筈を話す場では、真壁らに啖呵を切る事もあって、非常に気丈夫な女子(おなご)であるのが観て取れた。
長澤まさみの台詞回しに関して、やや言葉が詰まり気味で、ぎこちなく見えたのは気になったが、まあ描写としては良いだろう。

戦国に生きる姫は、必ずしも男勝りである必要はない。だが、非常の場合には、いかなる犠牲(時には、自害)をも厭わずに、お家の安全を図る非情さも求められる。

しかし、徐々に雪姫の態度が軟化していき、そういった心情変化が露骨に目立ち始めて、途中からダレてしまった。
追う者(山名側)、追われる者(秋月側)との虚々実々の駆け引きは、それなりにプロットが煉られていただけに、残念である。

具体的には、犠牲になった者に対する、雪姫の反応である。
自分の身代わりになって自害した侍女(真壁の妹?)に対して、憐憫の情を抱くのは、まだいい。
問題とも言えるのは、自分の盾になって、みつ(黒瀬真奈美)が死んだ時である。あそこまで悲しむ必要はあったのだろうか?
ついさっきまで、人買いに連れられていたみつに対して、いくら秋月に奉公していたからといって、そこまでの同情心を抱いている暇はない。すぐに出発しなければ、己の使命を果たすのも危うい。
嘆き悲しむなら、心の中ですればいい、その感情を表に出して取り乱すのは、明らかにご乱心である。それが、姫として生まれた者の宿命のはずである。

この辺りから、雪姫の威厳や風格といったものが急速に失われていく・・・。

あげくの果てには、身分違いの武蔵に対して恋慕の情を抱き始めるといった体たらくである。
したがって、時代劇を見ているのか、時代劇風にアレンジされた青春恋愛映画を観ているのか、途中から分からなくなってしまった。もう、グダグダである。
これなどは、圧倒的な人気を誇る若手俳優の松本潤を起用したと分かった時点で、大体予測はしていた。
@人気の俳優・女優を主役・準主役に起用して、そのカリスマ性に依存し、作品内容を軽視した形で興行の成功を収めようとする、まさに今の邦画の問題点を如実に表わした作品となってしまった。

ラストシーンに至っては、姫が使命を帯びた民衆の心を信じようが信じまいが、どっちでも良かったと思う。使命を果たさねば、自分たちが帰る国が無くなるのだから。
だから、演出としてはクサ過ぎた。
これでは、映画全体が、「人を信じれば、良い事あるよ」といった教訓を伝える寓話となってしまう。余りに、お粗末なオチであった。

お粗末ゴメン!!

唯一の救いは、アクションシーンが、結構見応えあった事であり、エンターティメント作品としては及第点をあげたい。
特に、いかにも猛者といった阿部寛とニヒルな椎名による、侍大将同士の意地とプライドを賭けた斬り合いとトークバトルが、迫力があって良かった。
しかし、雪姫の心情描写がグダグダだったので、及第点以下の評価とした。


【東宝シンデレラガールの今】
さて、お目当てだった長澤まさみについて。
去年の映画「その時は彼によろしく」での出来が散々だった事もあって、長澤熱は急速に冷え込んでいた。そして、この作品でも、冷え切った長澤熱を温め直すまでには至らなかった。

@見事な長身スタイル、憂いを帯びた表情の時の魅力(必殺技「泣きのまさみ」)、は相変わらずだったが、やや詰まり気味な台詞回しと、キレを失ったルックスでは、お世辞にも東宝の未来を背負って立つ看板女優とは言えない。

はち切れんばかりの若さと可愛らしさと瑞々しさを披露してくれた「タッチ」「涙そうそう」の頃が、今となっては懐かしい。
長澤が、必殺技「泣きのまさみ」をこれでもかと繰り出してくれた「涙そうそう」を超えるのは、果たしていつの事か。それが出来た時、若手女優のトップの座に躍り出るのは容易なのだが、なかなか良い作品に恵まれない。彼女の不運である。

第3世代(成海璃子・夏帆・大後寿々花・北乃きい)が、若手女優業界を席巻するまで、もう1~2年の猶予もない。

若手女優の世代交代については、前ブログ「世代交代」にて詳しく述べたので、そちらを参照して下さい。

「世代交代」

長澤にとって、来年あるいは再来年の主演映画(現時点で未定)が、文字通り、「ラストフレンズ」ならぬ「ラストチャンス」にならない事を、切に願う。
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コメント

そうですか、大ブレーキでしたか長澤。私的には消えかけていたオーラが復活していたように思ったのですが。。まあ確かに台詞回しをはじめ、演技力はトホホですけれどね。。

物語の構成は、オリジナルの流れを離れる後半、スポットが松本演じる武蔵に当たる辺りから、破たんしてきて、クライマックスはボロボロという感じでした。主役に松本潤なんてのを持ってきた時点で失敗ですね。
それなりに楽しめたところも個人的には多かったんですが、完成度の高い作品とは言えませんね。。

ただ作品に恵まれていないのは、長澤だけでなく、多くの若手女優が同じだと思うんですよ。そもそも大傑作なんて一年に数本も出ないですから。運よくいい作品に出られた人が、抜きん出た存在になるんだと思います。本人の力以外のところで勝負が決まってしまうんでわと。。

特にひいきにしている若手女優がいない私は、彼女たちの熾烈な戦いを楽しく見物させてもらっています。(若干夏帆寄り何ですけれどね、正直な事を言うと。夏帆に屈辱を与えた「4姉妹探偵団」には、心の底から憎しみがわきますよ)

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